bitcoin 接続事始め
前回は bitcoin で通信を始める時のピアを得る方法を学びました。
今回は通信してみたいと思います。
接続するとまず最初に version 番号を交換することになっているようです。 人に出会ったらまず挨拶をしましょうということですね。
今回は、DNS から得た seed peer に接続して、version メッセージを送って、version メッセージを受け取ってみます。
バイナリフォーマットのメッセージですが、scodec という便利ライブラリの bitcoin ようメッセージを定義している bitcoin-scodec というのがあったので、使ってみました。
適当に書いたコードがこれです。
受け取った version を最後に集計してみました。 DNS で返される peer の seed node 群は代表的な bitcoin プログラムが動作していると予想されます。
Satoshi
というのが github の bitcoin/bitcoin ぽいですね。
ここで設定されているのが見えます。
bitcoin/clientversion.cpp at ad57b310bac44a7e470cf66276421f2bbc61b1f0 · bitcoin/bitcoin · GitHub
version は 0.9.1 から 0.11.99 までレポートされていますが、大半が Satoshi でした。
Bitcoin XT というのはこれのことかな。
Bitcoin XT is an implementation of a Bitcoin full node that embraces Bitcoin's original vision of simple, reliable, low-cost transactions for everyone in the world. It is based upon the source code of Bitcoin Core, and is built by taking the latest stable Core release, applying a series of patches, and then doing deterministic builds so anyone can check the downloads correspond to the source code.
あとは /Satoshi:0.11.1/ljr:20150921/
というのも見えます。
Bitcoin LJR のことですかね。
Bitcoin LJR is a fork of Bitcoin Core (since 2011 December) with a collection of improvements maintained out of the master git tree. It comes in a "functional" flavour with only improvements to the software itself, and a "combined" flavour which also includes enhancements to relay and mining policy code.
peer から順にたどっていけば他のノードにアクセスできるので、全ノードのシェアもある程度簡単に集計できそうですね。
Bitcoin P2P 通信の seed
金曜日ですね。ビールが美味しいです。
Bitcoin で通信してみたいと思って bitcoin wiki を眺めていました。
Bitcoin は P2P で動作します。 Client-server のように決まったホストがないので、どこにつなげばいいかはどうやれば分かるでしょうか?
Network - Bitcoin Wiki に書いてありました。
3 つあるので順番に見ていきましょう。
Addr
ひとつめは固定の IP アドレスリスト。 これらの IP アドレスには bitcoin が動作するノードが居るので信じてつないでくださいね、というやつ。
bitcoin レポジトリの nodes_main.txt にかかれているのがこれでしょう。 先頭のほうをみると次のような行が確認できます。
1.34.168.128:8333 1.202.128.218:8333 2.30.0.210:8333 5.9.96.203:8333 5.45.71.130:8333
DNS
ふたつめは DNS。
IP アドレスリストと同じく、このリストを信じてね。というやつですね。 bitcoin レポジトリの chainparams.cpp に書かれているのがこれぽいですね。 6つのドメインが書かれています。
- seed.bitcoin.sipa.be
- dnsseed.bluematt.me
- dnsseed.bitcoin.dashjr.org
- seed.bitcoinstats.com
- bitseed.xf2.org
- seed.bitcoin.jonasschnelli.ch
ソースの方には各行の後ろにコメントで人の名前がかかれています。 bitcoin 界で信頼の置ける御仁だったりするのだろうか?知らないけど。
DNS 問い合わせると IP アドレス一覧が返ってきます。 返ってくる IP アドレスの port 8333 で動いていると仮定していいんでしょうか。
試しに問い合わせてみるとこんな感じでズラーっと返ってきます。
$ dig +short dnsseed.bluematt.me 24.130.44.69 5.196.82.16 221.146.232.87 198.71.92.235 195.154.15.146 (以下続く)
他の 5つはそれぞれいくつか IP アドレスが返ってきたんですが、 seed.bitcoin.sipa.be はひとつもアドレスが返ってきませんねえ。 Pieter Wuille さん頑張って。とか言っとけばいいのだろうか?
IRC
irc.lfnet.org の #bitcoin00
から #bitcoin99
までのルームのうち、ランダムなルームに join します。
nick は IP アドレスをエンコードしたものにします。
チャネルに参加している nick 一覧を得て、decode すれば bitcoin の seed が得られるって寸法です。
IRC使うのかー。洒落てるな(?)と思いましたが、この方法はバージョン 0.6.x 以降ではデフォルトでオフられているようです。
以上、最初の接続先を得る方法3つを学習しました。
Bitcoin アドレスの残高を調べる
というわけでビットコインのアドレスは使い回すは一般的には良くないが、寄付などでは良いのではないかと書いたが、寄付の受付をアドレス使い回しでやると良いといっている記事があった。
ブロックチェーンは公開された帳簿なので、誰でも全ての取引を照会することができます。したがって、寄付金を募っているウォレットにはいくら集まったのか、またどのような資金の使われ方がされているのかが一目瞭然なのです。
全取引が一目瞭然ということは悪質な詐欺を極限まで減らすことができるということです。
blockchain を全部舐めれば、どのアドレスにいくらの残高があるとか、どのアドレスに対して支払いを行ったかとかがわかるはずですね。
Blocktrail という会社が運営している Block explorer というサービスでは、(おそらく)アドレスごとに取引の内容をデータベース化しており、アドレスの残高を眺めたりすることができます。
BLOCKTRAIL | Bitcoin API and Block Explorer
たとえば この記事 で寄付受付用に公開されているアドレスがあります。
Anyway, if you like to donate for one of my projects or this article, feel to send bitcoins to 15B8b5yCB5sK7hSwbhyQQZpHrRYzvmxrAA ;-).
このアドレスの残高を見てみましょう。
これまでに6回の取引が行われ、0.71068296 BTC の残高があることがわかります。
Apache財団 のアドレスは少しずつですが寄付が集まってますね。
このように寄付に単一の bitcoin address を使えば「みなさまの寄付により〜円集まりました」とかいちいち集計しなくても誰でもわかって便利です。
一方で Mozilla財団 や Wikipedia では寄付の受付に coinbase というサービスを利用しており、一定時間ごとに違うアドレスが使われているようです。
まだまだ知らないことが多いので同じアドレスで寄付を受け付けることによるデメリットもあるのかもしれませんが、同じアドレスで受け付けたほうが透明性の点からは評価できますね。
Bitcoin のアドレスは毎回変えよう
bitcoin のアドレスって使い回しできるけどしちゃいけない類のものだったのか https://t.co/j8XPuciLmm
— KAWACHI Takashi (@kawachi) 2015, 11月 16
この先 bitcoin を扱うためのリテラシの必要性が高まるのではないかと感じている今日このごろです。 自分の子ども世代では国の発行する通貨に追加してデジタル通貨も扱えなきゃいけないんだろうなあ、大変だなあ。
というわけで bitcoin について調べているのですが、 Bitcoin に送金する際に使われるアドレスは毎回変えたほうが良い、と Address reuse - Bitcoin Wiki に書いてありました。 アドレスの使い回しはできるけどやらないほうがいい、ってことですね。 Bitcoin beginner の私は知りませんでした。
同じアドレス(以下、アドレスAと呼びます)をずっと使っていた場合、個人と結び付けられた時に厄介なことになります。 Bitcoin では取引内容、すなわちアドレスXからアドレスYへいくら移動したという情報が全て公開されています。 すなわち、アドレスAの残高も丸見えなわけです。
私が通販で買い物をして、アドレスAから送金して、自分の住所へ何かを届けてもらったとします。 そうすると、通販の運営者は、私という個人とその住所、アドレスAを関連付けることができます。 もし私がアドレスAをずっと使いまわしており、全貯蓄の100億円相当*1をアドレスAに入れていたとしたらどうなるでしょう。 通販の運営者には、私がどこに住んでおり全貯蓄がいくらあるか分かることになります。 悪意のある人にこの情報が渡ると、恐喝の対象になったり、何かの際に足元を見られたりするわけです。 あまり気持ちの良いものではないです。
ではどうするかというと、一度取引に使ったアドレスはもう使わないというのが正しい運用になります。 そうすると bitcoin の受け取り毎に別のアドレスを使うことになります。 アドレスが増えて面倒になりそうですが、複数のアドレスをまとめて扱える wallet というものを使うのが普通みたいですね。
逆に残高がわかってもいい状況、たとえば募金を募る場合などではひとつのアドレスでいいのかもしれません。
*1:もちろんそんなに持ってませんよ…
Android でプログラムを書いて遊ぼう
常日頃、非生産的な通勤時間をどうやって過ごそうかと思いを巡らせています。 大体、Android 端末(Nexus 5)で Pocket に溜めた記事を読んだり、 Kindle で本を読んだり、podcast を聞いたりで時間を潰してるんですけどね。
昨日、 root を取っていない Android で動く Debian が Play store にあるのを見つけました。
GNURoot Debian - Google Play の Android アプリ
インストールしてみましたが、普通に apt-get
とか動くのはなんだか新鮮です。
/home
の下のファイルはなぜか実行権が付けられない?とか、プログラムによっては動かなかったりしますが、C も java も ghc も Hello world は動きましたし、それなりに遊べそうな雰囲気はあります。*1
キーボードは打ちにくいものの、vim も動きました。
Kindle で入門本を読みながら、GNURoot で動作確認するなんてのもなかなか楽しいかな、と思いました。
*1:go の Hello world はなぜか segmentation fault した。