ビジョナリー・カンパニー2 メモ2
今日は第二章 野心は会社のために 第五水準のリーダーシップの最後まで読んだ。
章末にまとめがあるが、そのさらに簡略版。
- 偉大な実績の企業への転換点では第五水準のリーダーに率いられていた。
- 第五水準のリーダーは個人としての謙虚さ、職業人としての意志の強さをあわせもつ
- 第五水準のリーダーは次の世代でさらに成功を収められるようにするが、第四水準のリーダーは後継者が失敗するようにする(それによって自身の能力が示される)ことがある
- 第五水準のリーダーは成功したときは窓の外に要員を見つけ、失敗したときは鏡を見て自分に責任があると考える。比較対象企業のリーダーは逆が多かった。
- 有名で非凡な指導者の招聘は偉大な企業への飛躍・持続と逆相関の関係にある
- 第五水準のリーダーシップは観察から導き出されたものである
さて、前回時間があったらやってみたいと思っていたこと、偉大な企業たちが直近どんなようすなのか調べてみることにしよう。 本が書かれてから20年近くたっている。 飛躍はまだ持続しているのだろうか?それとも時代の波に逆らえず失速しているのだろうか?
飛躍した企業として挙げられているのは次の通り。 かっこの中は転換時期
- アボット (1974)
- サーキット・シティ (1982)
- ファニーメイ (1984)
- ジレット (1980)
- キンバリー・クラーク (1972)
- クローガー (1973)
- ニューコア (1975)
- フィリップ・モリス (1964)
- ピットニー・ボウズ (1973)
- ウォルグリーンズ (1975)
- ウェルズ・ファーゴ (1983)
こうしてみると転換時期は十分に古い。 転換時期から15年は好調な時期が続いたということで、書籍に載ることになったのだが、その後はどうか?
S&P 500
まずは比較対象として S&P 500。
比較対象自体が 2000 年からで見ると 3.0 倍になっている。 比較されるほうも大変だ。
アボット
2000年から 8.2 倍に成長している。すごい。
サーキット・シティ
2008年に上場廃止された様子。
Wikipedia によると転落の様子は次のように書かれている。
しかし1990年代後半になると、自動車販売や金融分野など経営の多角化乗りだし失敗。ライバルとなるベスト・バイが一等地に店舗を構え、薄利多売によるインセンティブを顧客に還元する戦略が軌道に乗ると、次第にじり貧を余儀なくされた。
2000年ごろから業績が落ち込み始め、2001年には売り上げでベスト・バイに抜かれ、家電の売上高ではベスト・バイ、ウォルマートに次ぎ3位となった(2009年の破綻関連のニュースでは(ウォルマートが家電専門でないためか)「全米家電小売2位」と報道されている)。
従来の手法に固執する経営陣は、さらに小型店舗を拡張する戦略を採り、2003年には650店舗にまで成長するが売り上げは減少。2004年には、ライバルのベスト・バイから社長を引き抜き、店舗の整理・縮小による均衡型の経営を模索した。
社長の引き抜きをやったが、再飛躍のきっかけにはならなかったようだ。
ファニーメイ
これかな?
上場廃止になった模様。
ジレット
2005年に P&G に吸収合併。
キンバリー・クラーク
2000年と比べると2.3倍となっている。
クローガー
4.9 倍。
ニューコア
直近、スゴイ吹き上がり方をしているので、安定的な成果とは言えないが、2000年から 7.6 倍。
フィリップ・モリス
NYSE: PM。 私も昔吸っていた時期がある。 なぜか 2008年までしか遡れなかった。
ピットニー・ボウズ
ピツニーボウズと訳すのが主流なのだろうか?
NYSE: PBI。
2000年から 0.16倍。冴えない。
ウォルグリーンズ
ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス - Wikipedia
アライアンス・ブーツと統合して、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンスと名前が変わっている。
ウェルズ・ファーゴ
NYSE: WFC。 2000年から 2.4 倍。
まとめ
2000年から 2021年というスパンで見ると、本書中の飛躍した企業群は特別優秀な成績を収めているようには見えない。 輝いたが一時期続いたとして、それが永遠に輝き続けるということはないということだろう。 とはいえ、輝くための努力をすることは無駄ではないと信じたい。